ふるさと納税は、
・節税+負担額以上の素敵な返礼品がもらえる=実質タダ!
という利用する価値のある制度です。
でも、きちんと制度を理解し、申告や申請漏れ、条件等を確認していないとうっかり損してしまうこともあります。そんなうっかり損の中でよくあるのが“医療費控除”です。
医療費の控除を受けるとなると、ふるさと納税にどんな影響が出てくるのか。些細なミスをしてしまわないよう、ふるさと納税についてしっかり理解を深めていきましょう。
ふるさと納税で気をつけたいうっかりミス
会社勤めされている方は、当然確定申告不要の特例制度を利用しようと考えますね。実はそこにうっかりポイントが隠されているのです。
ワンストップ制度を利用する場合
この制度は、
1.確定申告不要!
2.5つまでの自治体ならどこにでも寄附OK!
という嬉しいメリットのあるものです。
利用して損はない制度なので、多くの会社員の方が取り入れていることでしょう。ところが年末が近づき、支払った総医療費を計算してみると、控除対象額を超えていたことが判明したとします。
もちろん控除を受けないと損をしてしまうので、申告する必要がありますね。ここでふるさと納税をしていることを忘れていなければ気づけるのですが、うっかり忘れて医療費控除の申告のみを行ってしまうと、せっかく特例制度によって申請していた控除額が適用されなくなってしまうのです。
つまり、そのままにしておけば節税できなくなくなってしまうということです。
医療費控除があったらどうすればいい?
そんなミスをしないためにも、医療費控除があった場合はどう対処すればよいのでしょうか。
医療費控除の制度
そもそも医療費控除を受けられる方は、年間の医療費を10万円以上支払った方になります。世帯全員分でかかった医療費が対象となるので、お子様がいらっしゃる場合などは、案外簡単に超えてしまう方も多いのです。
例えばあなたが年13万円の医療費を支払ったとしましょう。確定申告で控除申告をすると、3万円分が所得から引かれることになります。
ふるさと納税も医療費控除も、税控除が受けられる点においてはどちらも利用すべきといえますね。そしてもちろん、この2つを併用することには何も問題ありません。
併用する場合の確定申告方法
併用すること自体は問題ないのですが、注意して頂きたいのが確定申告の際に“ふるさと納税による寄附金の申告”を忘れないことです。
もちろんワンストップ制度を利用していた方であっても、この申告さえしっかりしていれば税控除が白紙になることはないので安心してください。
ネット申告できるe-taxなら基本的に寄附証明の領収書は必要ありませんが、税務署へ直接提出する場合は必要になります。万が一のためにも、必ず領収書は保管しておく癖をつけておくのも大切でしょう。
医療費控除を受ける際の上限額目安
ふるさと納税もワンストップ制度も、どちらもメリットがあり併用できるのであれば何の問題もないように感じますが、1つだけ注意しておいていただきたいことがあるのです。
それは、寄附の上限額が少し下がるということ。
約2%分、上限額ダウン
といっても、万単位で下がるわけではありません。医療費の控除が5万円受けられるのであれば、千円をもともと目安としていた上限額から差し引けばよいということです。
ただ、注意したいのが所得税の税率が高い場合です。高所得者ほど率が高くなってしまうので、そういった方の場合には4.5%を目安に考えておくとよいでしょう。それでも3千円未満のダウンで済むので、目安として覚えておくとよいですね。
その他の控除がある時も要注意!
医療費だけでなく、その他に雑損や住宅ローン、株式投資に関する申告が必要になる際にも注意しなくてはなりません。特にミスが多いのが住宅ローン控除を受ける1年目の時です。
1年目は年末調整不可
住宅ローン控除の1年目に関しては、確定申告が必須となっています。つまり、必然的にワンストップ制度は受けられないということを理解しておいてください。
この場合にもふるさと納税をする際は、寄附申告をしないと控除が受けられません。2年目からは特例制度を利用できるようになるため安心ですが、忘れがちなので注意しておくべきでしょう。
上限額に少し変化が生じるものの、併用可能で確定申告時にミスさえなければどちらも利用できるようになっています。ふるさと納税は控除額の上限を把握しておくことが大前提なので、どちらも利用したとしても余裕をもった寄付額に設定しておけば特に問題はないのです。
税が絡むとこういったうっかりミスの時ほど焦ってしまいがちですが、焦らずにもし申告内容に間違いがあった場合はすぐに税務署へ相談するようにしてください。更正の請求を行うか、修正申告を行うことできちんと正しい控除を受けられることもあります。
どちらもメリットのある制度なので、注意点を理解してぜひ利用してみて下さいね。