ふるさと納税は、住宅ローン控除がある場合はどうなる?

ふるさと納税をやってみたい!とは思うものの、住宅ローンを組んでいる人はお得にならないなんて声も聞こえてきて、中々踏み出せずにいる方が意外とたくさんいらっしゃいます。

簡単に答えだけを述べると、
“住宅ローンを組んでいて税控除を受けていても、ふるさと納税でさらに税控除を得ることは可能です。”

ただし、納税額がゼロになる方のみ、税によるお得さを感じられない場合があるので、その点についても詳しく解説していきましょう。

住宅ローン控除の仕組み

ではまず、住宅ローン控除の概要からお話していきます。

これは住宅支援のために設けられた制度で、年の最終月である12月時点のローン残高より1%〜1.2%の税控除を受けることができるものです。

所得・住民税から節税される

ローン残高が3千万円で、控除率1%と仮定した場合、30万円があなたの所得にかかる税とお住まいの県、市へ納める税から控除されます。減税については、所得税→住民税という順番で行われるため、所得税の額が控除額より少ない場合にも問題ありません。

では、ふるさと納税で節税になる仕組みはどうなっているのでしょうか。

ふるさと納税の節税の仕組み

ふるさと納税は、自治体を選択し寄附をすることでお礼品がもらえ、その後2千円を超える部分が税から控除・還付されるものです。所得税は当年分より還付、住民税は翌年度分から控除という仕組みになっています。

でも2千円の負担は必要なんでしょう?と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、実際受け取れるお礼品は2千円では購入できないものが多いです。還元率5割を超えるものも少なくないため、負担金2千円となっていても、実際にはプラスになっているといえるのです。

ふるさと納税と併用した場合の計算方法

仮にあなたの年収を5百万、住民税20万円、所得税10万円課税されているとしましょう。住宅ローン残高は2千万円で、控除率1%として20万円の減税が適用。

このケースでみると、住民税の2割が限度額となるため、4万円が限度額と割り出すことができます。

住宅ローン控除

住宅ローン減税により20万円の控除を受けると、まず差し引かれるのは所得税となります。先に仮定した所得税が10万円でしたので、所得税はすべてゼロになりました。

次に残った減税額は住民税から差し引かれるため、20万円の住民税が10万円と半額になります。あくまでも分かりやすいようにキリの良い数字でご紹介していますが、こうしてみるとどのように計算されているのかがうんとわかりやすくなると思います。

ふるさと納税

さて、それではこの状態でふるさと納税を行った場合どうなるのかというと、
・限度額の4万円以内の寄附をする→お礼品を受け取る→住宅ローン控除で減税されなかった住民税より税が控除される
といった流れになります。

実は、住宅ローン控除は税額控除であるため所得に影響がなく、ふるさと納税を行ったとしても特に問題が生じません。反対に医療費などの控除は所得控除なので、所得が減少=住民税所得割分も減少となり、寄附限度額にも影響がでてきます。

この点が勘違いされやすいところで、住宅ローン控除とふるさと納税を併用するとお得にならないと思われる原因ともいえるでしょう。

納税額がゼロになる方は要注意

ふるさと納税・住宅ローン減税、2つの節税が叶えられるのは事実なのですが、下記のようなケースには注意が必要です。

住民税がゼロになった場合

分かりやすく先ほど仮定したケースをそのまま使用し、ローン残高のみ倍の4千万円に設定したとしましょう。

するとどうでしょうか。減税額が40万円になると所得税がゼロになるのは当然ですが、住民税額まで減税額が上回る形となってしまいました。つまり、ふるさと納税で節税対象となる税金をまったく納めていない状態になるのです。

これではお礼品の還元率が高くても、節税という面においてはメリットを得られなくなってしまいます。高額のローンを組んでいる方+所得が少なめな方はこのようなケースに該当する恐れがありますので、注意してくださいね。

>>簡単に控除額シミュレーションを算出する方法

2017年も後半に!ふるさと納税を始めよう

いかがでしたでしょうか。ローン減税額と所得・住民税の額を理解しておくことで、ふるさと納税と住宅ローン控除のどちらの節税効果も得ることが可能になります。

併用できれば年間どれだけの税金を節約できるか、計算してみるといかにお得かが分かるかと思います。

そこで最後にふるさと納税を始められる方の参考までに、あるサイトの人気ランキングをご紹介したいと思います。

2017年10月現在、ランキング1位に輝いているのは、
“佐賀県嬉野市 佐賀牛切り落とし1キロ” 寄附金額1万円
となっています。こちらは寄附を申し込まれた方の口コミが700件以上と評価も高く、寄附金額がお手頃なところも人気の理由といえるでしょう。

2位には北海道森町のいくらしょうゆ漬け500g、3位には福岡県上毛町の九州豚切り落とし4キロがランクインしています。この2つも寄附金は1万円となっているので、ぜひおいしい特産品を味わってみてくださいね。